予防接種
予防接種とは
- 人間は細菌あるいはウイルスに感染すると、自らの体内でその病原体に対する免疫というのがつくられるようになります。予防接種は、この原理を利用したもので、罹患する前に免疫をつけようと、ある病原体の病原性を弱める、もしくは無力化した薬剤(抗原物質:ワクチン)を体内に注入することで、同じ病原体に感染したとしても発症が抑えられる、あるいは万一感染したとしても重症化のリスクが低減されるようになります。
- 予防接種は、上記のような個人の身を守るために行うこともありますが、接種が受けられない方々に感染を拡大させないという集団感染を防ぐ目的で行うという意味合いもあります。
当院で行う主なワクチン接種
インフルエンザワクチンとは
- インフルエンザとは、インフルエンザウイルス(A型もしくはB型)に感染することで発症する呼吸器感染症がインフルエンザです。感染して発症することで、高熱、頭痛、関節・筋肉痛、風邪のような症状(鼻水、喉の痛み)などがみられますが、これといった治療をしなくても一週間程度で回復するようになります。
- ただ感染力がとても強く、短期間に多くの人が罹患することもあるので、社会活動にも大きな影響が出るほか、子ども(とくに乳幼児)、高齢者、妊婦、何かしら基礎疾患を持つ方が罹患すると重症化(インフルエンザ脳症、肺炎、気管支炎 など)することもありますので要注意です。
- インフルエンザの予防対策には、手洗い、うがい、マスクの着用など様々ありますが、最も有効とされるのがインフルエンザワクチンの予防接種です。なお同ワクチンは、接種時期も重要で、より効果を高めたい場合はインフルエンザの流行が始まる10月下旬頃から11月頃までに接種することをお勧めします。なおインフルエンザワクチンは持続効果が約5ヵ月と言われています。そのため、常に予防したいのであれば毎年接種する必要があります。
子宮頸がんワクチンとは
- これは子宮頸がんを予防するためのワクチンです。
これまで2価HPVワクチンと4価HPVワクチンのどちらかを選択して接種するということになっていたのですが、2020年7月に9価HPVワクチン「シルガード9」も日本で認可されるようになりました。ただ現時点(2020年10月)では、予防接種法に基づく定期接種として9価は採用されていませんので、接種を希望される場合は定期接種の勧奨期間であっても全額自己負担となります。
- 9価HPVワクチンの利点ですが、HPVは全部で100種類以上の型があるとされ、そのうち子宮頸がんなどを発症させる原因の型は15種類ほどあると言われています。ちなみに子宮頸がんを発症させる原因の50~70%は16型と18型とされており、2価HPVワクチンではその16型と18型の2種類、4価HPVワクチンでは16型と18型に加え、尖圭コンジローマの原因とされる6型と11型にも予防効果があります。さらに9価HPVワクチンでは、4価の4つの型(6型、11型、16型、18型)のほか、31型、33型、45型、52型、58型(計9種類)にも効果があるとされ、これによってHPVが原因とされる子宮頸がんの9割近くを予防できるようになると言われています。なお接種回数については、2価や4価と同じく計3回となります。
- 現在、HPVワクチンは定期接種とされていますが、同ワクチン接種後にみられるとされる慢性疼痛などの多様な症状が報告され、2013年6月以降は積極的な勧奨が中止されている状態が続いています。ただ現時点では上記のような症状とHPVワクチンの因果関係は不明とされています。
- ただ子宮頸がんワクチンを接種したことによる慢性疼痛などの副反応を発症させるリスクと、接種しないことによる子宮頸がん発症のリスクを比較すると後者の方がリスクは高いと言われています。このようなことから接種をするにあたっては、メリット・デメリットを十分に考慮したうえで受けるか否かを判断されるようにしてください。
風疹ワクチンとは
- 風疹を予防するためのワクチンのことを風疹ワクチンと言いますが、現在は麻疹を予防する麻疹ワクチンと混合したMRワクチンが一般的です。そのため風疹を予防するワクチンとしてはMRワクチンの予防接種となります。
- 風疹は、風疹ウイルスに感染(主にくしゃみや咳による飛沫感染、接触感染もある)し、2~3週間の潜伏期間を経てから発症、発疹、リンパ節の腫れ、発熱などの症状が現れるようになります。なお症状そのものは3日程度で治まるので三日はしかとも呼ばれますが、感染力が強く、発疹の症状が現れる1週間前~発疹後1週間を経過するくらいまで感染力はあると考えられています。
- 上記のような症状で済むことが大半ですが、人によっては重症化することもあります。ただ注意しなくてはならないのは、風疹に対する免疫が十分でない妊婦さん(とくに妊娠初期)が感染することです。この場合は母子感染によって、先天性風疹症候群(先天性心疾患、難聴、白内障や緑内障などを発症する)のお子さんが生まれる可能性があるので要注意です。なお妊娠中に風疹(MR)ワクチンの接種を希望しても打つことはできません。
- そもそも風疹ワクチン(MRワクチン)は小児の定期予防接種となっていますが、現在の推奨年齢(1歳児と小学校入学前1年間の幼児)と接種回数(計2回)になったのは、1990年4月2日生まれの方からで、それ以前は1回もしくは受けたことがない(1962年4月1日以前に生まれた女性、1979年4月1日以前に生まれた男性)という方もいます。上記に該当するケースで、将来的にお子さんを授かりたいと希望する女性、またそのような女性と同居するご家族の方は可能な限り接種されることが望まれます。
- なお、奈良市では昭和37年4月2日~昭和54年4月1日までの間に生まれた男性を対象とした風疹抗体検査・予防接種を原則、無料で実施しています。詳細につきましては、奈良市の公式HPをご覧ください。
- 奈良市の男性の風しん抗体検査・予防接種は→こちら
- 院長
- 平野 仁嗣
- 診療科目
- 産科 婦人科
- 住 所
- 〒631-0824 奈良県奈良市西大寺南町5-26
T・Kビル西大寺 SOUTH 4階
- TEL
- 0742-52-0500
- 最寄駅
- 近鉄 大和西大寺駅より 徒歩1分(駅南口バスロータリー前)
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